訪問看護宮沢の太陽 第30回日本心臓リハビリテーション学会学術集会
令和6年7月に開催された第30回心臓リハビリテーション学会学術集会in神戸に参加しました。今回は、COVID-19の感染拡大以降初めての現地参加となりました。心臓リハビリテーション指導士の単位更新および訪問看護・リハビリ業務に生かせる最新情報を収集するための重要な機会となりました。
今回の学会では主に在宅支援側として訪問看護・リハビリ現場で活躍されている先生方の講演を聞かせていただきました。昨年同様に、高齢化に伴い「心不全」に関する発表が多い傾向でした。その中で、心不全の方への「心臓リハビリテーション」を医療機関のみならず在宅においても継続していくことが重要だと改めて感じました。
入院中に行われる心臓リハビリテーションはベッドから立ち上がる、50m歩く、100m歩く、200m歩く、階段昇降といった基本的な生活動作において心臓に異常がないか確認し、退院後の生活指導、再発予防にむけた指導・支援が中心となります。
これに対し、退院後の心臓リハビリテーションには、その人それぞれの生活環境や暮らしに対する希望などに合わせた支援が必要になります。運動機能の維持向上だけでなく、生活環境の見直しや福祉用具・住宅改修なども含めた環境整備により、その人にとって最適な生活を送ることができるように支援します。
循環器疾患(特に心不全)の場合、完治して退院する人は少なく、再発や悪化の不安を抱えながらの生活になります。そのため、生活習慣を見直し、疾病管理がとても重要になり、それは一生涯続いていくことになります。また、再発、悪化の予防においては循環器疾患の徴候にいかに早く対応するかが鍵となり、そこに訪問看護・リハビリの専門的な視点が問われていると感じました。
利用者様に携わる在宅支援側の「心臓リハビリテーション」に対する認識はまだまだ広まっていないのが現状です。ある訪問看護ステーションにおいては「心臓リハビリテーション」の意義・地域における役割・重要性を周知させる活動(講演、チラシの配布、SNSの活用など)、心臓リハビリテーション指導士等の資格取得の推奨、社内勉強会などを行い地域全体で循環器疾患に関する認識を高めるような取り組みをされていました。当ステーションにおいても、同様な取り組みを継続して行っていくことを検討議題として挙げたいと考えます。
訪問看護 宮沢の太陽 理学療法士 SR